pre2. EAGLE基礎#
ゴール#
EAGLEの操作になれる、回路図の設計からパータン図制作まで一連の作業ができるようになる
今日つくるもの#
プレ講座1にてブレットボードで制作した光センサデバイスをEAGLEで設計制作する
概要、基本の設定#
EAGLEとは#
Autodesk配下の基板設計ツール(CAD)。世界中で古くから愛好家が多く、ライブラリの数が豊富。 機能が限定されるが、無料で利用することができる。 Autodeskに統合されたことにより、3Dライブラリが加わり、Fusion360との連携ができるようになった。
無料でできることの範囲:
2層基板まで
80 mm2(12.4 in2)の基板領域
参考:
https://www.autodesk.co.jp/products/eagle/compare
EAGLEのファイル構成#
EAGLEは使用する電子、電気パーツの構成をシンボルで記す回路図と、それぞれのパーツを実際に使用するパッケージに合わせたフットプリントと物理的な実寸の配置が記されているパターン図で構成されています。回路図とパターン図はセットであり、一般的には一つのプロジェクトとして管理します。 回路図から制作していきますが、実際に製作するのはパターン図であるので、使用するパッケージのライブラリを用いて制作していきます。
ライブラリの設定#
1.FabAcademyで使用するライブラリをダウンロードします。
https://gitlab.cba.mit.edu/pub/libraries/tree/master/eagle
のfab.lbr
2.EAGLEでダウンロードしたライブラリをインクルードします。(複数方法あり)
- コントロールパネル内のライブラリツリーに直接ドラッグドロップする
- ディレクトリで示されているライブラリフォルダの場所に入れる
3.ライブラリを使える状況(オン)にします。この時、不要なライブラリをオフします。
グレーのアイコンをクリックすると緑にかわります。
緑のものがオンになっているライブラリです。
フォルダごとオンオフを切り替える場合、フォルダを右クリックして表示されるメニューで設定します。
回路図の制作#
回路図制作の基本手順#
- 機能を決める (Eagle作業を始める前に決める=基本設計がすんでいる)
- パーツを決めて配置する
- 電源を決めて配置する
- 意図した機能となるように抵抗やコンデンサを入れる(設計時点でやっておくのが良い)
- 線をつなぐ、必要な箇所にグランドを儲ける
- 整理する
- 電気的チェックとエラー修正
参考: チュートリアル(英語)
基本ルール#
電流は上から下に流れるように(VCCが上、GNDが下)
信号は左から右へ流れるように
よく使うツール#
- パーツや電源を決めて配置する…Add,Rotate,Name,Value
- 線をつなぐ…Net,Name … ブレットボード上でジャンパワイヤで繋いでいたもの
- 整理する…Move,Group
- パーツの強調表示…Show
-
電気的チェック…ERC
- 操作はGUIのアイコンからするか、直接命令コマンドを入力する
- 一度パーツを配置すると、右クリックで各操作(動作)が選べるようになる
本日使うパーツ(pre1と同じもの、フットプリントを追加したアカデミーのライブラリから基本使う)#
パーツの検索はライブラリの中でワイルドカード(*)を使って検索する
Attiny45#
ATTINY45
光センサー(フォトトランジスタ)#
PHOTOTRANSISTOR-NPN1206
抵抗#
RES-US>RES1206FAB
コンデンサ#
CAP-UNPOLARIZEDFAB
FDTIケーブル接続用ピンヘッダ#
FTDI-SMD-HEADER
ISPヘッダ#
PNHD-2X3-SMD
VCC/GND#
VCC
GND
回路制作(練習)#
“よく使うツール”を使ってパーツを配置してみましょう
回路制作(実習)#
ブレッドボードで制作したフォトトランジスタの回路をEAGLEで再現してみましょう
作業順(例):
- 回路に使われるパーツをざっくりと配置する
- Attiny45
- フォトトランジスタ
- ISPヘッダ
- FTDIピンパーツ
- 抵抗2つ
- コンデンサ1つ
- VCCとGNDを適度に
- 回路の仲間ごとに移動させる
- それぞれのピンを接続する(直接netで繋いでも良いし、Nameで繋いでも良い)
- 見やすいように調整する
- ERCでチェックする
パターン図の制作#
事前のセッティング#
デザインルールのセッティング#
基板の製作環境に合わせて、パターンの制限、ルールに関する環境設定をします。 今回は、SRM-20でmodsを使い、切削することを想定したルールを設定します。DRC(パターンチェック)はこの設定を基準に判断されます。
edit > design rule > clearanceから以下のように設定します。
この設定は.druとしてをインポート・エクスポートできます。
グリッドのセッティング#
view>grid
線幅のセッティング#
レイヤーのセッティング#
パターン図制作の基本手順#
- パーツ全てを基板上に置く
- 出来上がりのパターンをあらかじめできれば予測しながらパーツをバランスよく配置する
- パターンを引く
- 整理する
- 外形を書く…48 document レイヤーに描画
- 全体のサイズを整える…22 レイヤーで実施、mods用の画像書き出しサイズはこのサイズになる
- パターン(デザイン)チェックをする
コツ#
- 電源関係のパターンは太くする
- パーツの位置関係は機能や使い勝手などに注意して配置する
- オートルーティングを使ってみる(オートルーターはデザインルールにそって行われるため、デザインルールをクリアランス以外の部分も設定の必要がある)
よく使うツール(パターン図独自のもの)#
- パターンを引く、切る…Route,Ripup
- 外形を書く…Plolygon
- パターン(デザイン)チェック…DRC
- 描画レイヤーの切り替え…Layer
回路が変わってしまうため、パターン図側でパーツの削除はしないこと。 パターンの削除は良い。
パターン図制作(練習)#
サンプルプロジェクトを使って簡単なパターン図を制作してみましょう
パターン図制作(実習)#
- フォトトランジスタの回路のパターン図を制作してみましょう
余裕があれば、、 - 同じ回路から違うパターン図を制作してみましょう - 時間に余裕があれば削り出してみましょう!
(追記)画像の書き出し#
EAGLEからPNGイメージを書き出す#
modsによるツールパス生成に必要な画像を書き出します。
- option>set..から、不要な表示をセッティングから解除する(そのまま画像に書き出されてしまいます)
-
書き出したいレイヤーだけ表示する
-
パターン画像:1/topと17/pad
- 穴あけよう画像:17/pad
- 外形画像:48/docment
- 十分な解像度で書き出す。モノクロームのチェックを忘れないこと
画像を修正する#
-
Macのretinaを使用されている方は、解像度が設定の倍になって書き出されます。(外部モニタを使っている場合正しく書き出されます)画像を修正するか、mods側の設定で解像度を修正してください。意図する大きさになるかどうか事前にEAGLE側でサイズを確認しておくと良いです
-
(穴を開ける場合の注意点)EAGLEで書き出した状態では、穴部分とパッド部分と塗りが二箇所になりパッドの外側もツールパスを作成されてしまうため、穴部分だけ画像を残します。 ペイントツールなどで穴以外の部分を白で塗りつぶすのが一番早い対処法ですが、注意点としては必ず2値画像にすることと、加工ソフトによっては書き出すときにOSの最低解像度になってしまうので、その点に注意。